二回試験(司法修習生考試)

第0 目次

第1 総論
第2 集合修習の時期,二回試験の受験場所及びいずみ寮
第3 司法修習生考試実施要領
第4 司法修習生考試実施要領第5項(1)の不正行為の基準
第5 考試において不可の科目又は欠席があった者の取扱いについて
第6 司法修習生考試委員会規則(昭和24年3月8日考試委員会可決制定)
第7 67期二回試験における,司法修習生考試委員会委員名簿
第8 52期までの二回試験に関する国会答弁
第9 二回試験の受験票
第10 和光市駅周辺のホテル

*1 以下の記事も参照してください。
① 二回試験(司法修習生考試)の応試心得
② 二回試験等の日程
③ 二回試験の不合格者数及び不合格率等
④ 二回試験不合格時の取扱い,及び弁護士資格認定制度
⑤ 旧司法試験,司法修習及び二回試験の成績分布及び成績開示
⑥ 司法官採用に関する戦前の制度
⑦ 司法研修所
⑧ 64期二回試験以降の司法修習生考試委員会議事録等
⑨ 65期二回試験以降の事務委託に関する契約書等
*2 司法試験論文式試験の答案の場合,個人情報開示請求により開示してもらうことはできません(平成28年度(行個)答申第211号及び第212号(平成29年3月24日答申)参照)。
   そのため,二回試験の答案を個人情報開示請求により開示してもらうことはできないと思われます。
*3 平成27年度(第69期)司法修習生考試事務要領を以下のとおり掲載しています(中身はほぼ真っ黒です。)。
① 司法研修所会場用1/52/53/54/55/5
② 大阪会場用1/52/53/54/55/5
*4 71期以降の二回試験の場合,試験時間の最後の5分間は紐を綴る時間となりました(司法修習生考試実施要領(平成30年7月2日最終改正)2(5)「各科目6時間30分とし,このうち,答案起案を6時間25分,答案綴込を5分とする。」,及び「平成29年度(第71期)司法修習生考試の答案作成等について」(平成30年8月1日付)参照)。
69期二回試験における,司法修習生考試委員会委員名簿
69期二回試験における,司法修習生考試委員会席図
平成25年度(第67期)司法修習生考試受験票

第1 総論

0 二回試験は司法研修所の卒業試験のようなものであり,正式名称は司法修習生考試です。
 
1 二回試験等の推移表(1期から70期まで)を掲載しています。
→ 二回試験の応試者数,合格留保者数,不合格者数等のほか,修習修了者数,裁判官任官者数,検事任官者数,一括登録した弁護士数等を記載しています。

2(1)ア 27期までは,病気・出産等の理由で二回試験を受けられなかった修習生だけが追試を受けることができたのに対し,28期から59期までは,合格留保者も追試(再試験と異なり,不合格となった科目だけを受験すれば足りる。)を受けることができました。
イ 司法修習生心得(昭和51年4月発行)末尾13頁及び14頁には以下の記載があります。
   プロになるための厳しさに関連し,考試について一言する。考試は,第2回試験(司法試験が第1回試験である。)といわれるもので,法曹資格を取得するために必要な国家試験である(これを,司法研修所の卒業試験と考えている向きがあるが,誤りである。)。この考試について,毎年司法修習生の一部から,その廃止あるいは全員合格を求める要望が出されている。このような主張は,世間に通用するものではないということを知ってほしい。
   なお,考試において1科目でも「不可」をとれば,原則として,直ちに合格とはされず,数か月後に当該科目について追試を受けることとなる。
ウ 修習生活へのオリエンテーション(昭和55年4月発行)16頁及び17頁には以下の記載があります。
   「考試験において1科目でも「不可」をとれば,原則として,直ちに合格とはされず,数カ月後に当該科目について追試を受ける。」というのが考試委員会の一般的先例であるが,複数の科目が「不可」であったため,不合格となり,さらに1年間の修習を命じられた例がある。
(2) 合格留保者数と官報掲載の追試合格者数を比べる限り,50期で1人,52期で1人,53期で1人,54期で4人,55期で1人,56期で1人,57期で2人,58期で1人,59期で6人,追試不合格者が出ているようです。

3 66期二回試験の採点表の表紙を掲載しています。司法研修所の民事裁判教官,刑事裁判教官,検察教官,民事弁護教官及び刑事弁護教官の署名押印があります。

4(1) 司法研修所における起案については,おいでよ ほうりつがくのもり(基本書レビューblog)「【2回試験・即日起案】司法研修所起案マニュアル」が参考になります。
(2) 検察終局処分起案の考え方(平成24年版)及び検察起案作成上の注意点(67期当時のもの)を掲載しています。

5 67期二回試験では, 平成26年11月21日の刑事弁護の試験において,アルバイトの試験監督が途中で帰るという事件が発生し,裁判所は,「このことをネットに書くな」などと口止めしたものの,週刊文春2014年12月25日号に事件の詳細に関する記事が掲載されました(ポムポムのブログ「【週刊文春】試験監督が二回試験中に帰る事案」参照)。

6(1) 二回試験対策として,弁護士法人アディーレ法律事務所に所属していた柴田孝之弁護士(現在は三重弁護士会所属)の「二回試験対策講座」を利用してもいいのかもしれません。
(2) 柴田孝之弁護士は,平成28年11月19日以降,三重県三重郡菰野町(こものちょう)の町議会議員をしています(菰野町HPの「議員名簿一覧」参照)。
   また,平成31年2月3日の菰野町長選に当選しました。

7 平成30年5月14日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には,「第70期司法修習生考試の答案採点謝金については,個別に支払金額を決定しており,答案ごと又は答案1枚当たりの採点単価や採点謝金の基準を別途定めた文書は,作成又は取得していない。」と書いてあります。

8 平成31年2月13日付の理由説明書には以下の記載があります。
   法修習生考試(以下「考試」という。)の答案審査は,考試委員会委員長が同委員会委員及び考査委員から,科目ごとに指名した者(以下「答案審査担当者」という。)が担当しており,考試委員会が裁判所法第67条第1項の試験の合格,不合格を定めるまでに, これを終える必要があるが,答案審査の作業日程は,各答案審査担当者に任されており,具体的な作業日程や終了期限を記載した文書を作成又は取得すべき必要性はない。

9 司法修習備忘録ブログ「二回試験受験心得」(平成28年11月27日付)には以下の記載があります。
着席時刻以降、修習生は試験場である教室とトイレ以外のおよそありとあらゆる場所に立ち入れなくなる。
そのため、朝、教室に入る前に、真っ先に行わなければならないのが、物資の調達である。
ア 売店
売店は試験日の朝も開いている。9:30頃だと、まだ食料も飲料もそれなりに残っていた。
イ 弁当の引き換え
これを忘れる人が相当数いるらしい。
ちなみに、弁当の引き換えについては、こちらを参照。
(リンク張り忘れに備えて一応説明しておくと、試験期間中でも、ふだん弁当を売りにきている業者だけは、研修所内の立ち入りが認められている。ただし、販売行為が許されていないのかなんだか知らないが、事前(試験期間の2週前)に弁当の引換券を販売し、試験当日の朝に引き換えてもらう、という方式をとっている。2016年は、11月7日から11日にかけてが引換券の購入期間だった。)
引き換え場所は、業者によって2か所に分かれる。「第一食堂の前」か「売店付近の廊下(?)」。場所は引換券に書いてある。

10 孤独な司法修習生の日々ブログ「二回試験を終えて @新梅田研修センター の様子等」には以下の記載があります。
   新梅田研修センターは,大阪駅,福島駅から徒歩15分ぐらいのところにあります。ちょっと交通の便は不便。
   試験会場は,2階から4階まであります。喫煙所は,階段の踊り場です。
   トイレは,各階にありますが,小さいです。行くたびに,手を挙げないといけないので,ちょっとめんどくさいです。
   ホテルの会議室のような場所で試験をします。机は,一般的な長机で,2人ずつ座ります。椅子は,かなりフカフカです。

第2 集合修習の時期,二回試験の受験場所及びいずみ寮

1(1) A班は東京,立川,横浜,さいたま,千葉,大阪,京都,神戸,奈良,大津又は和歌山が修習地の司法修習生のことであり,8月中旬から9月下旬に司法研修所(埼玉県和光市)での集合修習を受けます。
 そのうち,東京,立川,横浜又はさいたまを修習地とした場合,司法研修所で二回試験を受け,大阪,京都,神戸,奈良,大津又は和歌山を修習地とした場合,新梅田研修センターで二回試験を受けます。
(2) 最高裁判所の平成28年度一般会計歳出予算概算要求書(リンク先のPDF26頁)によれば,司法修習生考試試験場借料(大阪会場分)は,平成27年度の予算額で1495万6000円,平成28年度の概算要求額で1499万2000円となっています。
  最高裁判所の平成29年度一般会計歳出予算概算要求書(リンク先のPDF27頁)によれば,司法修習生考試試験場借料(大阪会場分)は,平成28年度の予算額及び平成29年度の概算要求額で1499万2000円となっています。

2 B班はA班以外の修習地の修習生のことであり,10月上旬から11月中旬に司法研修所での集合修習を受けますし,その後は司法研修所で二回試験を受けます。

3(1) いずみ寮は2棟あり,居室数はA棟が471室(うち,身体障害者用居室が3室),B棟が157室であり,合計628室です。
  69期以前の場合,B班の修習生は,いずみ寮の定員との関係で入寮を希望してもいずみ寮に入れない人が出ていましたが,1533人となった70期の場合,いずみ寮に入れない人はそれ以前よりも遙かに少ないと思われます。
  また,A班のうち,大阪高裁管内を修習地とする修習生は,いずみ寮にほぼ確実に入れるものの,往復の引越作業が余分に発生しますし,実務修習地で家を借りていた場合,集合修習期間中に空家賃まで発生します。
  そのため,大阪高裁管内の修習地であれば,集合修習中,いずみ寮にほぼ確実に入寮できるというメリット は,69期以前ほどは大きくないと思われます。
(2) A班の場合,二回試験を受けた後に選択型実務修習を受けますから,二回試験の勉強が気になって選択型実務修習に身が入らなくなる人もいます。
(3) 司法研修所の施設概要等については,「司法研修所」を参照して下さい。
(4) 司法研修所いずみ寮の様子については,司法修習ナビゲーションHP「質問:いずみ寮について教えてください。」が参考になります。
   リンク先の記事を作成した53期の弁護士の場合,火気厳禁のいずみ寮の部屋において火災報知器を大きめの紙皿で覆ってしまった上で,部屋の中にガスコンロを持ち込んで10人くらいで焼き肉パーティーやしゃぶしゃぶパーティーをしていたそうです。

65期二回試験の試験室配置図(西館)
65期二回試験の試験室配置図(図書館棟1階)
新梅田研修センターの周辺地図
65期二回試験の試験室配置図(新梅田研修センター)

第3 司法修習生考試実施要領

○以下の記載は,見出し部分を太字にしたことを除き,司法修習生考試実施要領(平成27年12月15日司法修習生考試委員会可決)を丸写ししたものです。
○二回試験を行うため,最高裁判所に司法修習生考試委員会が常置されています(司法修習生に関する規則12条1項)。
○司法修習生考試委員会の委員長は最高裁判所長官です(司法修習生に関する規則12条3項)。


司法修習生考試実施要領(平成27年12月15日司法修習生考試委員会可決)
1 考試の対象者
   考試を実施する年度において裁判所法第67条第1項の試験を受けることができる者
2 考試の方法
(1) 科目
   民事裁判,民事弁護,刑事裁判,刑事弁護,検察の5科目とする。
(2) 内容
   訴訟記録に基づき,裁判,検察及び弁護の立場から種々の問題を提出して答案作成を求める。
(3) 資料の貸与
   委員長の定めるところにより,答案作成のための参考資料を貸与する。
(4) 問題作成及び答案審査担当者
   司法修習生考試委員会委員及び考査委員のうち,委員長の指名した者とし,各科目ごとの問題作成及び答案審査担当者の人数等は,委員長の定めるところによる。
(5) 考試の時間
   各科目6時間30分とする。
   なお,考試時間以外に昼食時間を1時間設け,この時間中の答案作成を認める。
(6) 考試の期日及び場所
   委員長の定めるところによる。
3 採点基準
(1) 採点の段階
   優,良,可及び不可の4段階とし,可以上を合格,不可を不合格とする。
(2) 採点の方法
   各科目ごとに当該答案審査担当者の合議により採点する。
4 合否の決定
   司法修習生に関する規則第16条の定めに従い,司法研修所長が報告した修習成績と考試の結果により,当委員会において決定する。
5 不正行為
(1) 不正行為
   当委員会が別に定める基準に該当する行為を不正行為とする。
(2) 不正行為の制止
   試験官又は係員は,不正行為を行った者に対し,それを制止することができる。
(3) 応試中止の措置
   幹事は,不正行為を行った者の応試を直ちに中止させなければ,考試の公正が確保できないと認めるときは,その者につき,当該考試日における応試を中止させることができる。
(4) 不正行為者の考試結果の効力
   不正行為を行った者の考試結果の効力は,当委員会が決定する。
6 その他
   1から5までに定めるもののほか,考試の実施に必要な事項は委員長が定める。

第4 司法修習生考試実施要領第5項(1)の不正行為の基準

  以下の記載は,67期二回試験に関する司法修習生考試実施要領第5項(1)の不正行為の基準(平成18年9月28日司法修習生考試委員会可決)を丸写ししたものです。

司法修習生考試実施要領第5項(1)の不正行為の基準(平成18年9月28日司法修習生考試委員会可決)

司法修習生考試実施要領第5項(1)の不正行為の基準を下記のとおり定める。

1 他の応試者の答案を閲読し,又は故意に他の応試者に同様の閲読をさせること
2 口頭又はメモで他者から答案作成の参考となる情報を得,又は他の応試者にそのような情報を与えること
3 携帯電話,PHS,ポケットベル等の通信機器を用いて,答案作成の参考となる情報を得,又は他の応試者にそのような情報を与えること
4 当該行為を禁止し,当該行為を行った場合は不正行為とみなす事前の告知があったにもかかわらず,以下の(1)ないし(3)の行為を行うこと
(1) 応試者相互で談話をすること
(2) 携帯電話,PHS,ポケットベル等の通信機器を所持すること
(3) 貸与されたもの以外の資料や書籍を閲読し,又は故意に他の応試者に同様の閲読をさせること
5 以下の(1)ないし(4)の行為を行い,試験官又は係員が当該行為を中止するよう警告を与えても直ちに当該行為を中止しないこと
(1) 所定の試験時間終了後も答案を作成すること
(2) 所定の試験時間中に所定の筆記用具以外の私物を使用すること
(3) 許可を受けずにエレベーターを使用すること
(4) 立ち入り禁止場所へ立ち入ること
6 1ないし5に類する行為であって,考試の公正を害するおそれのある行為を行うこと

第5 考試において不可の科目又は欠席があった者の取扱いについて

 以下の記載は,考試において不可の科目又は欠席があった者の取扱いについて(平成18年9月28日司法修習生考試委員会可決)を丸写ししたものです。

考試において不可の科目又は欠席があった者の取扱いについて(平成18年9月28日司法修習生考試委員会可決)

1 受験した考試において不可の科目又は欠席があった者については,当該受験した考試(以下「当該考試」という。)を不合格とする。
2 1により,当該考試を不合格とされた者は,次回以降の司法修習生考試(以下「次回考試」という。)を受験することができる。
3 2により,次回考試を受験する者は,同講師において実施されるすべての科目を受験しなければならない。
  ただし,当該考試において,病気,その他やむを得ないと認める事情により,同考試の一部を欠席するなどした者に対し,同考試において既に受験した科目について,次回考試において受験を要しないものとすることができる。

第6 司法修習生考試委員会規則(昭和24年3月8日考試委員会可決制定)

   司法修習生考試委員会規則(昭和24年3月8日考試委員会可決制定)(昭和26年10月26日最終改正)は以下のとおりです。

第一条 司法修習生考試委員会(以下委員会という。)に関しては,司法修習生に関する規則(昭和二十三年最高裁判所規則第十五号)に定めるものの外,この規則の定めるところによる。
第二条 委員会は,委員長が,これを招集する。
           委員長は,会議の議長となり,議事を整理する。
第三条 委員会の会議は,秘密とする。
第四条 委員会は,過半数の委員が出席しなければ,会議を開くことができない。
           委員会の議事は,出席した委員長及びその他の委員の過半数によりこれを決する。可否同数の時は,委員長が,これを決する。
第五条 委員長に事故あるときは,委員長の指名する委員が,その職務を代行する。
第六条 委員の任期は三年とする。但し,再任及び委員の任期を延長することは妨げない。
第七条 委員会に幹事一人を置く。
          幹事は,最高裁判所事務総局人事局長を以つて,これに充てる。
          幹事は,委員長の命を受けて,庶務を掌る。
第八条 委員会に書記五人を置く。
           書記は,裁判所事務官の中から,最高裁判所が,これを命ずる。
第九条 この規則及び司法修習生に関する規則に定めるものの外,委員会に関し,必要な事項は,委員会がこれを定める。

司法修習生考試委員会規則

第7 67期二回試験における,司法修習生考試委員会委員名簿

   67期二回試験の場合,司法修習生考試委員会(司法修習生に関する規則12条1項)の委員名簿は以下のとおりです。

1 委員長
最高裁判所長官 寺田逸郎

2 委員
最高裁判所判事 大橋正春
最高裁判所判事 千葉勝美
最高裁判所判事 池上政幸
最高検察庁次長検事 伊丹俊彦
法務総合研究所長兼法務総合研究所国連研修協力部長 赤根智子
法務省刑事局長 林眞琴
最高検察庁総務部長 稲川龍也
法務省大臣官房人事課長 小山太士
弁護士(東京弁護士会) 巻之内茂
弁護士(第一東京弁護士会) 井窪保彦
弁護士(第二東京弁護士会) 中村晶子
最高裁判所事務総長 戸倉三郎
東京高等裁判所判事 加藤新太郎
東京高等裁判所判事 村瀬均
司法研修所長 山名学
司法研修所教官(判事) 三角比呂
司法研修所教官(判事) 中園浩一郎
司法研修所教官(判事) 細田啓介
司法研修所教官(判事) 吉井隆平
司法研修所教官(検事) 畝本毅
司法研修所教官(検事) 山口英幸
司法研修所教官(弁護士) 永野剛志
司法研修所教官(弁護士) 木崎孝

3 委員(幹事)
最高裁判所人事局長 堀田眞哉

第8 52期までの二回試験に関する国会答弁

昭和62年3月26日の参議院法務委員会における質疑応答は以下のとおりです。裁判所法の一部を改正する法律(平成10年5月6日法律第50号)(平成11年4月1日施行)による裁判所法改正前,つまり,52期までの二回試験の場合,二回試験で合格留保となった人に対しても給与が支給されていました。
 
1 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   きょうは、量だけじゃなしに質の問題を取り上げる予定でおったんですけれども、時間が五分になってしまいました。質の向上の問題として司法試験の問題もありますでしょう、これもこの前取り上げましたけれども。きょうは司法研修所における司法修習制度、これを取り上げたいと思うんです。
   先ほど申しました意見書の中にも、「いわゆる二回試験では、ほとんど不合格者が見られないが、この考試は法曹としての不適格者を排除するよう十分厳正に行なわれているかどうかという問題がある。」というふうに書かれております。いわゆる二回試験で不合格になった人、普通の言葉で言えば落第ですけれども、落第した人は毎年どのくらいおりますでしょうか。
2 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   私ども二回試験と申しておりますけれども、二年間の修習を終えた後で行われる司法修習生に対する試験でございますが、過去五年間をとってみますと、昭和五十七年に九名、五十八年に七名、五十九年に三名、六十年に三名、六十一年に四名、これだけの、二回試験の際における私どもの申します合格判定留保者でございますが、出ております。
3 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   合格留保された者は、結局どうなりますか。追試験みたいなことをやるんですか。そして、結局最終的に排除される人がいるのかどうですか。
4 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   合格判定留保になりますと、追試験が行われます。大体、二月程度後に改めて不合格の科目について試験を行うわけでございます。多くの場合はこれに合格いたしまして、そして、そのころ修習終了ということになるわけでございますが、中にはそのときに合格できなくて、今度は翌年のまた試験を受ける、このようになる人もございます。そうやってその翌年の試験にも受からないというケースもございますけれども、最終的には翌年の試験さらにはまた追試験というのを受けて、最後は何とか合格しておられるというのが普通でございます。
5 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   翌年の追試験ですね。そうすると、三年間いるわけなんですけれども、残りの一年間も給与は出るんですか。
6 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   追試を受けまして、これに合格しなくて卒業が一年延ばしになる人の場合は、これは司法修習生の身分が継続いたしますので、その間も給料は支給いたします。
7 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   給与をもらって勉強できるんだったら、私はなるだけ長く留年したいと思うんですけれども、不合理だとはお考えになりませんですか。――私は、別に法律のことを聞いているわけじゃない。常識としておかしいとお思いになりませんかということを聞いているわけです。
8 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   司法修習生には、その修習期間中に国庫から給与を支給するということが裁判所法の定めにございまして、これはその身分が続く間は支給することになっているわけでございます。
   常識的におかしいと思わないかどうかという点につきましては、これは余りに長期間試験に受からないがために長期間の給与を受けるというのは、これは不合理であると感ぜられる場合もあり得るであろうというふうに思います。

第9 二回試験の受験票

1 平成25年度(第67期)司法修習生考試受験票を掲載しています。

2 70期司法修習生考試受験票は不開示されていることについて,平成31年2月13日付の補充理由説明書には以下の記載があります。
(1)   苦情申出人は,平成25年度(第67期)司法修習生考試受験票が開示され,その後,同受験票がインターネットで公表されているのに,特に弊害が生じていないとして,本件対象文書は不開示情報に相当しないと主張する。
(2)   苦情申出人の指摘する平成25年度(第67期)司法修習生考試受験票は,当該司法修習生考試から約3年半を経過する頃に開示されたものであり,受験票書式としてもすでに使用されていない。一方本件対象文書とした平成28年度(第70期)司法修習生考試受験票書式は,開示請求日時点において,直近の司法修習生考試で使用されたものであり,これを明らかにすると,偽造等が容易となり,試験に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。
   なお,現時点又は直近で使用された受験票書式とは異なる過去の受験票書式であっても, これを明らかにすると,前者を容易に推測可能で偽造等が容易となる場合は,試験に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。
   よって,平成28年度(第70期)司法修習生考試受験票書式は,全体として行政機関情報公開法第5条第6号柱書及び同号イに定める不開示情報にあたることから, これを不開示とした原判断は相当である。

第10 和光市駅周辺のホテル

1 寮に入っていない司法修習生が司法研修所で二回試験を受験する場合,鉄道の人身事故等の影響を受けないよう,和光市駅周辺のホテルに宿泊した方が無難でありますところ,同駅周辺のホテルは以下の二つです。
① 東横イン和光市駅前(和光市駅南口より徒歩1分)
② スーパーホテルさいたま・和光市駅前(和光市駅南口より徒歩3分)

2 NAVITIME HP「司法研修所周辺のホテル/ビジネス/カプセル」が載っています。
東横イン和光市駅前1
東横イン和光市駅前2
スーパーホテルさいたま・和光市駅前1
スーパーホテルさいたま・和光市駅前2
1(1) 被害者側の交通事故(検察審査会を含む。)の初回の面談相談は無料であり,債務整理,相続,情報公開請求その他の面談相談は30分3000円(税込み)ですし,交通事故については,無料の電話相談もやっています(事件受任の可能性があるものに限ります。)
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。

2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。