一票の格差に関する最高裁判決の一覧

第0 目次

第1 総論
第2 衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧
第3 参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧
第4 衆議院議員総選挙当日有権者数の最多選挙区及び最小選挙区
第5 参議院議員通常選挙当日有権者数(議員1人当たり)の最多選挙区及び最小選挙区
第6 一票の格差訴訟における被告等,第1号法定受託事務等及び大阪法務局訟務部

*1 以下の記事も参照してください。
① 最高裁判所裁判官国民審査
② 第24回最高裁判所裁判官国民審査
③ 幹部裁判官の後任候補者
④ 高裁の各種事件数,及び最高裁における民事・行政事件の概況
⑤ 一票の格差是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律等の一覧
⑥ 最高裁判所における違憲判決の一覧
⑦ 衆議院の解散
*2 以下の資料を掲載しています。
① 民事書記官実務必携(平成28年4月1日現在)
② 刑事書記官実務必携(平成28年4月1日現在)1/22/2
③ 公職選挙法違反の統計報告について(平成6年10月27日付の最高裁判所刑事局長通達)
④ (公職選挙関係事件(行政及び刑事事件)の終局の結果連絡及び通知等の様式について(平成26年3月6日付の大法廷首席書記官の通知)
→ 公職選挙関係訴訟の結果は,各小法廷の首席書記官から大法廷首席書記官に連絡されますし,最高裁判所長官から総務大臣及び選挙管理委員会に連絡されます。
*3 一票の一票の格差に関する直近の最高裁判決は,最高裁大法廷平成30年12月19日判決(升永弁護士のグループ)及び最高裁大法廷平成30年12月19日判決(山口弁護士のグループ)であり,平成29年10月22日の衆院選の最大格差1.98倍は合憲であると判示しました。
   また,参議院の一票の格差に関する直近の最高裁判決は,最高裁大法廷平成29年9月27日判決(升永弁護士のグループ)及び最高裁大法廷平成29年9月27日判決(山口弁護士のグループ)であり,平成28年7月10日の参院選の最大格差3.08倍は合憲であると判示しました。

第1 総論

0 憲法14条1項の規定は,国会を構成する衆議院及び参議院の議員を選挙する国民固有の権利につき,選挙人資格における差別の禁止にとどまらず(44条ただし書),選挙権の内容の平等,つまり,議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等,つまり,投票価値の平等をも要求しています(最高裁大法廷昭和60年7月17日判決参照)。

1 衆議院及び参議院の選挙区別定数は,総務省HPの
「選挙の種類」に書いてあります。

2(1) 一票の格差(投票価値の平等)に関して,どの最高裁判所裁判官がどのような意見を述べているかについては,一人一票実現国民会議HP「「切り抜き」国民審査とは?」を見れば分かります。
(2) 一人一票実現CMアーカイブに,一人一票実現CM第1弾ないし第5弾の動画が載っています。
 
3(1) 「衆議院及び参議院における一票の格差」(平成23年6月9日付の国立国会図書館ISSUE BRIEF714号)では,一票の格差に関する最高裁の判断枠組みの推移が書いてあります。
   「衆議院及び参議院における一票の格差」(平成29年3月28日付の国立国会図書館ISSUE BRIEF953号)では,一票の格差訴訟最高裁判所判決とそれを踏まえた国会による選挙制度の改正について書いてあります。
(2) 外部HPの「過去の議員定数是正訴訟最高裁判決」では,最高裁大法廷昭和39年2月5日判決から最高裁大法廷平成25年11月20日判決までが一覧表としてまとめられています。
(3)ア   社会実情データ図録HP「国政選挙における一票の格差をめぐる最高裁判決」では,最大格差の推移が図示されています。
イ   国政選挙は,衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙のことです(公益財団法人明るい選挙推進協会HP「選挙制度・投票方法」参照)。
(4) 衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に政見放送その他の選挙運動を認める公職選挙法の規定は,憲法14条1項等に違反するとはいえません(最高裁大法廷平成23年3月23日判決)。

4 総務省HPの「平成27年国勢調査人口(確定値)に基づく計算結果の概要」(平成28年10月26日付け)によれば,以下のとおりです。
① 衆議院小選挙区
   衆議院小選挙区で一票の格差が2倍を超えたのは32選挙区で,前回調査時(平成22年)の97選挙区から65区減少しました。
   また,最大格差は北海道1区(58万9501人)と宮城5区(27万871人)の間の2.176倍で,前回調査時の2.524倍から0.348ポイント縮小しました。
   主として,前回調査時以降,衆議院小選挙区の定数について「0増5減」が実施されたことによるものです。
② 参議院選挙区
   参議院選挙区の最大格差は埼玉県(議員1人当たり人口:119万3555人)と福井県(同38万8646人)の間の3.071倍で,前回調査時の5.124倍から2.053ポイント縮小しました。
   主として,前回調査時以降,参議院選挙区の都道府県単位を超えた合区を含む「10増10減」が実施されたことによるものです。

5(1) 参議院HPの「参議院関係法規等」「平成25年版参議院先例録」「平成22年版参議院先例諸表」「平成25年版参議院委員会先例録」及び「平成22年版参議院委員会先例諸表」が載っています。
   衆議院についても同種の文書は存在しますが,HPには掲載されていません。
(2) 総務省HPに「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」(平成25年5月26日に解禁されたもの)が載っています。
(3) 投票行動.com HPに,国会議員ごとの投票行動が載っています。

第2 衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧

「衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧(昭和時代及び平成時代)」に移転させました。
平成25年7月28日施行の,衆議院小選挙区の区割り変更のポスター(総務省HPより)
平成29年7月16日施行の,衆議院小選挙区の区割り変更のポスター1/2(総務省HPより)
平成29年7月16日施行の,衆議院小選挙区の区割り変更のポスター2/2(総務省HPより)

第3 参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧2/2

「参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧(昭和時代及び平成時代)」に移転させました。
平成27年11月5日施行の,参議院選挙区選出議員の選挙区及び定数の改正等に関するポスター(総務省HPより)
平成29年7月19日の口頭弁論期日で配布された,傍聴人の皆様へ 選挙無効請求事件(参議院議員定数訴訟)について

第4 衆議院議員総選挙当日有権者数の最多選挙区及び最小選挙区

1 平成 8年10月20日執行の第41回衆議院議員総選挙
最多選挙区:神奈川県第14区(44万6970人)
最小選挙区:島根県第3区(19万2999人)
2倍超区数:62選挙区
最大 格差:2.316倍

2 平成12年6月25日執行の第42回衆議院議員総選挙
最多選挙区:神奈川県第14区(47万1445人)
最小選挙区:島根県第3区(19万1241人)
2倍超区数:87選挙区
最大 格差:2.465倍

3 平成15年11月9日執行の第43回衆議院議員総選挙
最多選挙区:千葉県第4区(45万9501人)
最小選挙区:徳島県第1区(21万3689人)
2倍超区数:27選挙区
最大 格差:2.150倍

4 平成17年9月11日執行の第44回衆議院議員総選挙
最多選挙区:東京都第6区(46万5181人)
最小選挙区:徳島県第1区(21万4235人)
2倍超区数:33選挙区
最大 格差:2.171倍

5 平成21年8月30日執行の第45回衆議院議員総選挙
最多選挙区:千葉県第4区(48万7837人)
最小選挙区:高知県第3区(21万1750人)
2倍超区数:45選挙区
最大 格差:2.304倍

6 平成24年12月16日執行の第46回衆議院議員総選挙
最多選挙区:千葉県第4区(49万5212人)
最小選挙区:高知県第3区(20万4196人)
2倍超区数:72選挙区
最大 格差:2.425倍

7 平成26年12月14日執行の第47回衆議院議員総選挙
最多選挙区:東京都第1区(49万2025人)
最小選挙区:宮城県第5区(23万1081人)
2倍超区数:13選挙区
最大 格差:2.129倍

8 平成29年10月22日執行の第48回衆議院議員総選挙
最多選挙区:東京都第13区(47万2423人)
最小選挙区:鳥取県第1区(23万8771人)
最大 格差:1.979倍

第5 参議院議員通常選挙当日有権者数(議員1人当たり)の最多選挙区及び最小選挙区

1 昭和52年7月10日執行の第11回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(111万3463人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(21万1507人)
格差:5.264倍

2 昭和55年6月22日執行の第12回参議院議員通常選挙(衆参同日選挙)
最多選挙区:神奈川県選挙区(117万1382人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(21万7992人)
格差:5.374倍

3 昭和58年6月26日執行の第13回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(123万8208人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(22万2848人)
格差:5.556倍

4 昭和61年7月6日執行の第14回参議院議員通常選挙(衆参同日選挙)
最多選挙区:神奈川県選挙区(132万491人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(22万5601人)
格差:5.853倍

5 平成元年7月23日執行の第15回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(143万1227人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(22万9034人)
格差:6.249倍

6 平成4年7月26日執行の第16回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(152万7439人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(23万1933人)
格差:6.586倍

7 平成7年7月23日執行の第17回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(117万7394人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(23万6919人)
格差:4.970倍

8 平成10年7月12日執行の第18回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(119万7651人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万722人)
格差:4.975倍

9 平成13年7月29日執行の第19回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(123万3477人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万4913人)
格差:5.036倍

10 平成16年7月11日執行の第20回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(126万4178人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万6218人)
格差:5.134倍

11 平成19年7月29日執行の第21回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(119万7275人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万6434人)
格差:4.858倍

12 平成22年7月11日執行の第22回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(121万5760人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万2956人)
格差:5.004倍

13 平成25年7月21日執行の第23回参議院議員通常選挙
最多選挙区:北海道選挙区(114万9739人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万1096人)
格差:4.769倍

14 平成28年7月10日執行の第24回参議院議員通常選挙
最多選挙区:埼玉県選挙区(101万1503人)
最小選挙区:福井県選挙区(32万8722人)
格差:3.077倍

第6 一票の格差訴訟における被告等,第1号法定受託事務等及び大阪法務局訟務部

「第1号法定受託事務としての選挙無効訴訟」に移転させました。
1(1) 被害者側の交通事故(検察審査会を含む。)の初回の面談相談は無料であり,債務整理,相続,情報公開請求その他の面談相談は30分3000円(税込み)ですし,交通事故については,無料の電話相談もやっています(事件受任の可能性があるものに限ります。)
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。

2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。