裁判所支部
第0 目次
第1の2 裁判所の種類及び数
第2 高裁支部
第3の1 地家裁支部
第3の2 全国の地家裁支部の一覧
第4 裁判所支部の運営をめぐる諸情勢
第5 裁判所支部の所在地等
第6 裁判所支部に関する日弁連の考え方が分かるHP等
*1 裁判所HPの「裁判所の管轄区域」を見れば,全国の市町村毎にどの高裁,地家裁及び簡裁の管轄になっているかが分かります。
*2 裁判所HPの「各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧」を見れば,全国の高裁,地家裁及び簡裁の電話番号等が分かります。
*3 裁判所データブックの「付録」に全国裁判所所在図,各高等裁判所管内裁判図があります。
*4 以下の文書を掲載しています。
① 下級裁判所事務処理規則(昭和23年8月18日最高裁判所規則第16号),及び下級裁判所事務処理規則の運用について(平成6年7月22日付の最高裁判所事務総長依命通達)
② 裁判所職員の赴任期間について(平成4年4月28日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
③ 裁判所の組織(平成29年度支部長研究会の資料)
④ 大阪地方裁判所堺支部・堺簡易裁判所の庁舎平面図(平成20年12月19日竣工)
⑤ 大阪地方裁判所岸和田支部・岸和田簡易裁判所の庁舎平面図(平成12年5月12日竣工)
⑥ 家庭裁判所出張所設置規則(昭和25年12月20日最高裁判所規則第32号)
*5 日本全国裁判所めぐりブログに,日本全国の裁判所庁舎の外観写真が載っています。
*6 弁護士社長の実務ブログに「大阪地方裁判所堺支部・堺簡易裁判所(堺簡裁)への徒歩での行き方(最寄駅の南海高野線・堺東駅からのアクセスを画像で紹介)」が載っています。
第1の1 総論
1 高等裁判所,地方裁判所及び家庭裁判所には本庁及び支部の区別があります。
2(1) 裁判所支部には,高等裁判所支部(=高裁支部),地方裁判所支部(=地裁支部)及び家庭裁判所支部(=家裁支部)があります(裁判所法22条1項,31条1項・31条の5)。
(2) 支部勤務の裁判官は,最高裁判所が裁判官会議で定めます(裁判所法22条2項,31条2項・31条の5参照)。
ただし,支部填補(てんぽ)裁判官(支部の仕事を手伝う裁判官というぐらいの意味です。)は,それぞれの下級裁判所が事務分配で定めます(下級裁判所事務処理規則6条1項参照)。
3(1) それぞれの支部の人数については,「現職裁判官の分布表,全国の地裁の本庁及び支部ごとの裁判官数」を参照してください。
(2) 事件数等については,「全国の地裁の本庁及び支部ごとの裁判官数及び各種事件数の一覧表(平成27年分)」を参照してください。
4 国家公務員共済組合連合会(KKR)の裁判所支部の連絡先は,同連合会HPの「裁判所」に掲載されています。
各地の裁判所の共済組合係が年金の請求窓口になっています。
5 全国には438の簡易裁判所がありますところ,平成25年4月1日現在,簡裁代理権を持つ認定司法書士が存在する簡易裁判所は432となっており,カバー率は約98.6%です(日本司法書士会連合会HPの「司法過疎の解消」参照)。
第1の2 裁判所の種類及び数
ただし,平成29年4月1日,静岡地裁浜松支部,長野地裁松本支部及び広島地裁福山支部が労働審判取扱支部となりました。
〇裁判員裁判取扱支部は,①東京地裁立川支部,②横浜地裁小田原支部,③静岡地裁沼津支部,④静岡地裁浜松支部,⑤長野地裁松本支部,⑥大阪地裁堺支部,⑦神戸地裁姫路支部,⑧名古屋地裁岡崎支部,⑨福岡地裁小倉支部及び⑩福島地裁郡山支部です。
1 最高裁判所
1庁
2 高等裁判所
本庁が8庁,支部が6庁,知財高裁が1庁
3 地方裁判所及び家庭裁判所
それぞれ50庁
4 地方裁判所及び家庭裁判所の支部
それぞれ203庁
→ うち,少年事件取扱支部が102庁,合議事件取扱支部が63庁,裁判員裁判取扱支部が10庁,労働審判取扱支部が2庁(平成22年4月取扱開始の東京地裁立川支部及び福岡地裁小倉支部)であり,その他の支部が101庁です。
5 家庭裁判所の出張所
77庁であり,そのうち20庁は受付出張所
6 簡易裁判所
438庁
→ うち,地裁の本庁又は支部に併設された簡裁が253庁,その他の簡裁(独立簡裁)が185庁です。
独立簡裁のうち,2庁は民訴事務不取扱簡裁です。
第2 高裁支部
1 高等裁判所支部の設置根拠及び権限
(1) 通常の高等裁判所支部(=高裁支部)は,昭和23年3月1日施行の高等裁判所支部設置規則(昭和23年2月20日最高裁判所規則第1号)に基づいて設置されています。
高裁支部は,地方裁判所が控訴審として下した民事事件の判決(=レ号事件の判決)に対する上告事件を取り扱うことはできません(高等裁判所支部設置規則1条2項)。
(2) 知的財産高等裁判所(=知財高裁)は,東京高裁の特別の支部として設置されています(知的財産高等裁判所設置法2条柱書)。
(3) 裁判所構成法に基づく控訴院には支部がありませんでした。
2 高裁支部の設置及び廃止の年月日
(1) 高裁支部の設置年月日
ア 昭和23年3月1日,広島高裁松江支部及び札幌高裁函館支部が設置されました。
イ 昭和23年5月15日,名古屋高裁金沢支部が設置されました。
ウ 昭和23年9月1日,福岡高裁宮崎支部が設置されました。
エ 昭和23年10月1日,広島高裁岡山支部が設置されました。
オ 昭和24年3月10日,仙台高裁秋田支部が設置されました。
カ 昭和47年5月15日,福岡高裁那覇支部が設置されました。
キ 平成17年4月1日,知財高裁が設置されました。
(2) 高裁支部の廃止年月日
昭和46年7月31日,札幌高裁函館支部が廃止されました。
3 かつて存在した札幌高裁函館支部
(1) 明治14年10月6日,函館控訴裁判所が設置され,明治19年5月4日に函館控訴院となったものの,大正10年12月15日,控訴院が函館から札幌に移転した結果,札幌控訴院となりました(函館控訴院ノ移転ニ関スル法律(大正10年4月8日法律第51号)及び大正10年12月6日勅令第453号参照)。
つまり,大正10年12月15日までの函館には,現在の高等裁判所に相当する控訴院が設置されていました。
(2) 昭和23年3月1日から昭和46年7月31日までの間,札幌高等裁判所函館支部が設置されていました(昭和46年6月28日最高裁判所規則第10号参照)。
4 高裁支部の位置関係
弁護士法人岩田法律事務所HPの「高裁支部の適正配置」と題する記事が参考になります。
5 その余の詳細は「高等裁判所支部」を参照してください。
第3の1 地家裁支部
1 地家裁支部の設置根拠
地方裁判所支部(=地裁支部)及び家庭裁判所支部(=家裁支部)(あわせて,地家裁支部といいます。)は,地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則(昭和22年12月20日最高裁判所規則第14号) に基づいて設置されています。
2 地家裁支部の権限
(1) 地家裁支部は,簡裁の民事事件の判決に対する控訴事件(=レ号事件)及び行政訴訟事件を取り扱うことはできません(地家裁支部設置規則1条2項)。
(2) レ号事件は必ず合議事件となります(裁判所法26条2項3号)し,行政訴訟事件は通常,合議事件となります(裁判所法26条2項1号参照)。
(3) 平成2年4月1日,改正後の地家裁支部設置規則1条(地裁)及び2条(家裁)が施行された結果,権限甲号の支部(=合議事件取扱支部)及び権限乙号の支部(=合議事件非取扱支部)の区別が廃止されました。
しかし,そのときに追加された地家裁支部設置規則3条1項(地裁)又は2項(家裁)に基づき,旧乙号支部における合議事件に関する事務を引き続き本庁又は旧甲号支部に取り扱わせることができるようになりました。
そのため,合議事件を取り扱う支部であるかどうかは現在,それぞれの地家裁の裁判官会議決議に基づく事務分配という形で決まっています。
(4) 東京地家裁多摩支部の状況については,東弁リブラ2009年10月号に掲載されている「多摩支部の活動-裁判所本庁化への期待も-」が参考になります。
3 その余の詳細は「地方裁判所支部及び家庭裁判所支部」を参照してください。
第3の2 全国の地家裁支部の一覧
第4 裁判所支部の運営をめぐる諸情勢
1(1) 「支部(特に非常駐支部)の運営をめぐる諸情勢」(平成27年2月の最高裁判所の実務協議会(冬期)における,総務局事前配付資料6)を掲載しています。
裁判所の支部問題に関する,最高裁判所の問題意識がよく分かります。
(2) 最高裁判所の実務協議会(冬期)は,新たに地家裁所長又は高裁事務局長を命ぜられた者が参加する協議会です。
2 執行事件の集約
(1) 支部の執行事件の本庁への集約は,同規則(注:地家裁支部設置規則)3条に基づき,裁判官会議の議決によって行うことができます。
しかし,当事者の利便性に影響する可能性があることに加え,弁護士会等対外対応,人員配置等で検討すべき点があることから,民事局を窓口として最高裁に協議することになっています。
(2) 執行集約4基準は以下のとおりです。
① 集約対象庁の事務処理に困難があり,かつ,それが外部要因に起因していること。
② 集約庁の事件処理が安定しており,集約対象庁から事件を受け入れても安定した事件処理が係属できると考えられること。
③ 集約対象庁の事件処理について,集約前に比べて,集約後の事件処理の効率が向上すると考えられ,かつ,関係人に不相応な不利益が生じることがないと見込まれること。
④ 集約につき,弁護士会の理解が得られること。
3 合議取扱支部
(1) 現在の合議取扱支部は,平成元年の同規則改正に合わせ,一部の庁を除き旧甲号支部を合議取扱支部とすることが各庁の裁判官会議で3条議決されたことによるものです。
なお,同規則改正以降で,合議取扱化した支部はありません。
(2) その後の同規則改正により合議事件非取扱支部として新設された相模原支部について,市議会での決議や市長の要望書のほか,首都圏弁護士会支部サミットや弁護士会との協議の場において取り上げられる等,従前から,合議取扱化に関する要望等の動きがあります。
4 労働審判事件の支部拡大
(1) 労働審判事件については,制度導入の際,労働審判員にふさわしい人材を相当数確保する必要があることに加え,労働審判手続の専門性・特殊性党の観点から,当分の間は地方裁判所本庁において労働審判事件を取り扱うことが相当であると考えられたため,各地方裁判所において,労働審判事件を本庁においてのみ取り扱うこととする旨の3条決議がされました。
しかし,平成18年4月の労働審判制度の開始以来,各庁において事件処理のノウハウが一定程度蓄積されていることなどから,大規模支部を中心に労働審判事件の取扱庁の拡大が検討され,その結果,平成22年4月から東京地裁立川支部及び福岡地裁小倉支部において,労働審判事件の取扱いが開始されました。
(2) 近時,単位弁護士会の決議や市町村議会の意見書のほか,第一審強化方策地方協議会(=一審強)や弁護士会支部サミットの議題として取り上げられる等,労働審判事件の支部実施についての要望等の動きがあり,平成26年9月以降,最高裁が日弁連と協議を重ねていました。
その結果,最高裁は,平成28年1月18日,平成29年4月から静岡地裁浜松支部,長野地裁松本支部及び広島地裁福山支部において,労働審判の取扱いを開始することを発表しました(「地域司法の基盤整備に関する会長声明」(平成28年1月18日付の日弁連会長声明)参照)。
5 常駐支部の拡大,非常駐支部への填補回数の増加及び出張所への填補回数の増加
最高裁は,平成26年9月以降の日弁連との協議の結果,平成28年1月18日,平成28年4月から,①松江地家裁出雲支部を常駐支部とすること,②静岡地家裁掛川支部,神戸地家裁柏原支部及び高松地家裁観音寺支部の3支部において裁判官の填補回数を増加させる方向での準備を開始すること,③さいたま家裁飯能出張所及び岡山家裁玉島出張所において裁判官の填補回数を増加させる方向での準備を開始することを発表しました(「地域司法の基盤整備に関する会長声明」(平成28年1月18日付の日弁連会長声明)参照)。
第5 裁判所支部の所在地等
1(1) 裁判所HPの「最高裁判所の所在地」及び「各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧」に,各地の裁判所の本庁支部の所在地及び電話番号のほか,ダイヤルイン番号が記載されています。
(2) 裁判所データブック2015の付録にも,各地の裁判所の本庁支部の所在地,電話番号及びファックス番号が載っています。
2 裁判所HPの「各地の裁判所一覧」に,各地の裁判所HPへのリンクが張られています。
第6 裁判所支部に関する日弁連の考え方が分かるHP等
① 「裁判官・検察官の大幅増員を目指して」と題するHP
② 「地域に根ざした法曹の人的・物的施設の拡充を目指して」と題するHP
③ パンフレット「裁判官を増やそう」
④ パンフレット「全国各地に裁判官,検察官の常駐を!」
⑤ パンフレット「裁判所支部を充実させよう」
2(1) 東京地家裁立川支部の現状については,外部HPの「裁判所の「支部」問題」が参考になります。
東京三弁護士会多摩支部は,東京地家裁立川支部を「本庁」に昇格させるため,色々な取り組みを行っています。
(2) 立川商工会議所は,最高裁判所長官に対し,平成26年3月17日,「東京地方裁判所立川支部及び東京家庭裁判所立川支部の本庁化を求める要望書」を提出しました。
3 京都弁護士会は,平成20年11月,京都府南部地域の司法アクセス改善のためには地裁家裁の支部の創設が必要であるとの考えに立ち,支部設置を目指して,南部地域における地家裁支部設置推進対策本部を設置しました(京都弁護士会HPの「南部地域における地家裁支部設置推進対策本部」参照)。
4 日本裁判官ネットワークHPの「支部の充実を目指して」に,平成22年7月23日の北海道弁護士連合会定期大会記念シンポジウム「地域住民の”裁判を受ける権利”の充実を目指して~司法基盤の整備は進んでいるのか~」にパネリストとして参加した元裁判官の文章が載っています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。