- ホーム
- 弁護士略歴,取扱事件,弁護士費用等
- 弁護士費用
弁護士費用
第0 目次
第1 総論
(1) 30分3000円(税込み)です。
ただし,簡易な債務整理事件及び交通事故の初回相談は無料です。
(2) 20分以上の電話相談後に面談相談となった場合,交通事故を除き,電話相談の時間も加味して面談相談における法律相談料をいただきます。
(3) 複雑困難な案件のため,私の方で面談時間外における資料調査等が必要になった場合,資料調査等に要した時間についても法律相談料をいただきます。
(4) 具体的な事件を依頼する前の段階で,法律相談及び資料収集等に要した時間が3時間を超えた場合,30分当たり5000円(税込み)で法律相談料をいただきます。
2 着手金
(1) 着手金とは,弁護士に対し,事件又は法律事務の性質上,委任事務処理の結果に成功不成功があるものを依頼するときに支払う費用をいいます。
(2) 着手金については,旧日弁連報酬等基準規程(平成16年4月1日廃止)を上限として決定します。
ただし,勝訴の見込みが高い場合,着手金を無料として最低限の実費だけを支払っていただき,成功報酬金を多い目に支払うという形でのご依頼も可能です。
(3) 判決に対する控訴又は終局審判に対する即時抗告をする場合,追加の着手金として,11万円(こちらが控訴等をした場合)又は5万5000円(相手方だけが控訴等をした場合)を頂きます。
3 実費
(1) 振込手数料,印紙代,郵便切手代(裁判所に対する予納郵券代を含む。),コピー代(裁判所,検察庁等で行ったもの),交通費(タクシー代を含む。),宿泊料,保証金,保管金,供託金等の実費については全額,ご負担いただきます。
(2) 委任契約書には,受任事件ごとに通常予想される実費の額を概算実費として記載した上で前払いを求めています(民法649条参照)ものの,委任事務の遂行に伴い,概算実費の額を超えることはあります。
この場合,超えた額については別途,弁護士報酬とは別に実費として請求させていただきます(民法650条1項参照)。
(3)ア 実費についてはなるべく,「預り金口座 弁護士山中理司」名義の普通預金口座に入金してもらいます。
イ 預り金口座に関しては,金融庁が以下の文書を保有しています。
① 「弁護士が預り金専用口座を開設する際の口座名義について」(平成28年11月29日付の日弁連会長の要請)
② 弁護士又は弁護士法人の「預り金口座」への対応について(平成28年12月7日付の金融庁監督局総務課長の文書)
(4) 弁護士は,預り金を保管するときは,自己の金員と区別し,預り金であることを明確にする方法で保管しなければなりません(預り金等の取扱いに関する規程(平成25年5月31日会規第97号)4条1項)。
(5) 大阪地裁の予納郵便切手の組み合わせが大阪地裁HPの「民事訴訟等手続に必要な郵便切手一覧表」に載っています。
訴状又は控訴状を提出する場合の予納郵券は5000円です。
(1) 大阪家裁の期日に出頭したり,大阪市外に出張(依頼者の自宅等を訪問する場合を含む。以下同じ。)したりする場合,1回当たり1万1000円です。
ただし,移動時間を含む拘束時間が4時間以上の場合,1万6500円です。
(2) 大阪府外に出張する場合,1回当たり1万6500円です。
(3) 近畿地方の外に出張する場合,1回当たり2万2000円以上です。
5 尋問を要する場合の追加の着手金
・ 当事者尋問又は証人尋問を実施することとなった場合,交通事故事件の場合も含めて,追加の着手金として1人当たり5万5000円を頂きます。
6 受任時の弁護士報酬の明示等
(1) 受任時は直接面談して委任契約書を必ず作り(弁護士職務基本規程30条1項,弁護士の報酬に関する規程5条2項参照),弁護士報酬を事前に必ず明示します。
(2) 依頼者の報酬支払義務は,委任契約書等に基づくものに限られますから,お中元,お歳暮その他の贈り物の送付を私から求めることはありません。
(3) 以下の場合,弁護士報酬の増額を求めることがありますから,依頼される場合,有利不利を問わず,一通りの事情を説明して下さい。
① 依頼者が法令の定め又は裁判所の指示に従わなかった場合
② 依頼者が私の合理的な指示に著しく違反した場合
③ 依頼者の説明内容に重大な虚偽が含まれた結果,委任事項に関して当初想定した事態から著しい事情の変化があった場合
(4) 依頼者が委任事項の追加を希望する場合において,それが有償の法律業務に関わるものであるときは,直ちに弁護士報酬について協議した上で,依頼者との間で具体的な合意を形成できた時点で,新たな委任事務の遂行に着手します。
7 消費税の取扱い
(1) 弁護士費用は消費税が10%であることを前提として表示しています。
(2) 平成26年4月1日に消費税が8%になったものの,消費税が10%になる時期は,平成27年10月1日→平成29年4月1日→令和元年10月1日という風に変更されました。
第2 交通事故事件の弁護士費用
0 初回相談
予約の時点で事件受任の可能性があると判断した場合,交通事故の初回相談は無料です。
1 弁護士費用特約を利用できない場合
(1) 相手方に対する請求分
ア 着手金
(ア) 訴訟前の着手金は原則として5万5000円ですが,自賠責保険金又は示談金の入金後にお支払いただくということでも大丈夫です
(イ) 第一審の訴訟手続に関しては11万円の着手金を追加で頂きますが,自賠責保険金の入金後にお支払いただくということでも大丈夫です
また,当事者尋問又は証人尋問を実施することとなった場合,追加の着手金として1人当たり5万5000円を頂きます。
(ウ) 控訴審に移行した場合,追加の着手金として,11万円(こちらが控訴をした場合)又は5万5000円(相手方だけが控訴をした場合)を頂きます。
イ 概算実費
(ア) 示談交渉だけの場合,当初の概算実費は1万1000円ですが,訴訟提起により印紙代及び切手代が必要となった場合,追加の概算実費を頂きます(事件終了時に精算します。)。
(イ) 1万1000円の概算実費だけは必ず最初にお支払いただきます。
ウ 成功報酬金
成功報酬金は原則として以下のとおりですが,事案によっては最低額が高くなることがあります。
(ア) 症状固定前の場合
・ 追加取得額の11%(最低額は11万円)
(イ) 自賠責保険金回収後の場合
・ 追加取得額の11%(最低額は16.5万円)
(ウ) 示談案提示後の場合(以下のいずれか多い方)
・ 追加取得額の11%(最低額は22万円)
ウ 出張日当は別途,頂きますが,大阪府内に限り,事故現場の確認その他の初回の出張日当は請求しません。
エ 成功報酬金とは,依頼した事件等が解決したとき,その解決の程度に応じて支払う費用をいい,仮に依頼した事件等が全く不成功に終わった場合,成功報酬金は発生しません。
また,追加取得額が最低額未満の場合,成功報酬金は最低額と同じになります。
オ 追加取得額というのは,ご依頼いただいた後に取得できたお金をいいます。
カ ①加害者側の任意保険会社が一括払いを拒絶している場合,又は②加害者側の任意保険会社が損害賠償責任の存在自体を争っている場合,成功報酬金の割合は高くなります。
(2) 人身傷害補償保険に対する請求分
ア ご自分の過失部分について人身傷害補償保険に請求する場合,入金額の3.3%又は3万3000円のいずれか多い方を手数料としていただきます。
イ 人身傷害補償保険が適用されるかどうかについて争いがある事案において人身傷害補償保険に請求する場合,着手金は不要ですが,入金額の6.6%又は6万6000円のいずれか多い方を成功報酬金としていただきます。
訴訟提起を要する場合の弁護士費用は別途,ご相談となります。
2 弁護士費用特約を利用できる場合
(1) 相手方に対する請求分
ア ご加入の弁護士費用特約の基準に従った弁護士費用を頂きます。
この場合,相手方に対する損害賠償請求に関して自己負担が発生することはありません。
イ(ア) 弁護士費用特約が適用されるかどうかについて争いがある事案において弁護士費用特約を利用する場合,着手金は不要ですが,入金額の3.3%又は3万3000円のいずれか多い方を成功報酬金としていただきます。
ただし,弁護士費用特約が適用されることについて争いがない事案の場合,手数料は頂きません。
(イ) 訴訟提起を要する場合の弁護士費用は別途,ご相談となります。
(2) 人身傷害補償保険及び労災保険に対する請求分
ア ご自分の過失部分について人身傷害補償保険及び労災保険に請求する場合,そのための費用を弁護士費用特約から支払ってもらうことはできません。
そのため,この場合,原則として,入金額の3.3%又は3万3000円のいずれか多い方を手数料としていただきます。
イ 人身傷害補償保険及び労災保険が適用されるかどうかについて争いがある事案において人身傷害補償保険及び労災保険に請求する場合,着手金は不要ですが,入金額の6.6%又は6万6000円のいずれか多い方を成功報酬金としていただきます。
訴訟提起を要する場合の弁護士費用は別途,ご相談となります。
(3) 自分が気に入った弁護士に依頼できること
交通事故の被害者は,自分が被保険者となっている保険会社に対して弁護士の紹介を依頼することができます。
しかし,自分で直接,気に入った弁護士に依頼した上で,その弁護士に支払う弁護士費用を保険会社に負担してもらうこともできます。
3 相手方及び労働基準監督署からの請求に対応する場合
(1) 交通事故について依頼者に少しでも過失がある場合,相手方からも損害賠償請求をされる可能性がありますし,相手方について労災保険の適用がある場合,労働基準監督署からも立替金を請求される可能性があります(「第三者行為災害としての交通事故」参照)。
この場合,対物賠償責任保険又は対人賠償責任保険を使用しない限り,弁護士費用が保険で支払われることはありません。
(2) 相手方からの請求が物損に限られる場合において対物賠償責任保険を使用しない,又は使用できない場合,原則として弁護士費用は請求しません。
ただし,当然ですが,損害賠償債務は依頼者の自己負担です。
(3)ア 相手方からの請求に人損が含まれる場合において対人賠償責任保険を使用しない,又は使用したくない場合,弁護士費用については,相手方に対する請求分とは別の見積もりとなります。
この場合,原則として5万5000円の着手金と,相手方の請求額からの減額分(自賠責保険超過分に限る。)の5.5%の成功報酬金をいただきます。
また,労働基準監督署からの立替金の請求もある場合,第三者行為災害報告書を提出する時点で5万5000円の着手金をいただきますし,労働基準監督署の具体的な請求額からの減額分の5.5%の成功報酬金を頂きます。
イ 相手方に対する損害賠償請求ができない案件の受任はお断りしています。
(4) 後日,示談等をする際,相手に対する損害賠償請求と,相手方からの損害賠償請求とを合意により相殺した上で差額だけの支払で済ませることがありますところ,この場合の成功報酬金は相殺前の金額を基準として決めます。
4 法テラスの利用は常にお断りしていること
交通事故事件の場合,加害者側の任意保険会社から損害賠償金を回収することで弁護士費用をお支払いただくことができます。
そのため,弁護士費用特約を利用できない場合であっても,法テラスの利用は常にお断りしています。
第3 相続事件の弁護士費用
0 初回相談
30分3000円(税込み)です。
1 遺産分割事件の着手金及び成功報酬金
(1) 原則
ア 分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いがない場合,原則として,着手金は,依頼者が取得できる見込みの相続分の時価相当額の3.3%(最低額は22万円)であり,成功報酬金は,依頼者が取得できた相続分の時価相当額の5.5%(最低額は44万円)です。
イ 経済的利益に基づく弁護士費用と比べて予想される手間が大きすぎる場合,事件受任をお断りする可能性が高いです。
(2) 例外1(被相続人の遺産に含まれるかどうか争いがある財産)
被相続人の遺産に含まれるかどうか争いがある財産が存在する場合,当該財産に関する部分については,着手金は依頼者が取得できる見込みの相続分の時価相当額の5.5%,成功報酬金は依頼者が取得できた相続分の時価相当額の11%で弁護士報酬を計算します。
(3) 例外2(特別受益又は寄与分)
ア 依頼者の特別受益又は寄与分が問題となる場合,これらの部分に関する着手金は,特別受益を否定し,又は寄与分を立証することによって依頼者が取得できる見込みの相続分の時価相当額の5.5%,成功報酬金は,依頼者が取得できた相続分の時価相当額の11%です。
イ 相手方の特別受益又は寄与分が問題となる場合,これらの部分に関する着手金は,特別受益を立証し,又は寄与分を否定することによって依頼者が取得できる見込みの相続分の時価相当額の5.5%,成功報酬金は,依頼者が取得できた相続分の時価相当額の11%です。
(4) 例外3(使途不明金)
ア 被相続人の生前又は遺産分割時までに出金されたお金が「依頼者の」使途不明金となっている場合,この部分の着手金は,使途不明金を否定することによって依頼者が取得できる見込みの相続分の時価相当額の5.5%,成功報酬金は,依頼者が取得できた相続分の時価相当額の11%です。
イ 被相続人の生前又は遺産分割時までに出金されたお金が「相手方の」使途不明金となっている場合,この部分の着手金は,使途不明金を立証することによって依頼者が取得できる見込みの相続分の時価相当額の5.5%,成功報酬金は,依頼者が取得できた相続分の時価相当額の11%です。
(5) 出張日当
出張日当は別途,頂きます。
(6) 3000万円を超える場合の取扱いの着手金
ア 依頼者が取得できる見込みの相続分の時価相当額が3000万円を超える場合,3000万円を超える部分については,着手金に限り4割減額します。
イ 例えば,分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いがない場合において,依頼者の取得見込額が8500万円である場合,3000万円×3.3%+5500万円×3.3%×60%=99万円+108万9000円=207万9000円となります。
2 遺留分侵害額請求事件(かつての遺留分減殺請求事件)及び遺言無効確認請求事件の着手金及び成功報酬金
遺産分割事件の着手金及び成功報酬金と同様の基準で決めます。
3 遺言書作成の手数料
(1) 相続財産の時価相当額,遺言内容,相続人の数,相続人間の関係等を考慮して,原則として,11万円から33万円の間で決めます。
(2) 出張日当は別途,頂きます。
4 相続放棄の手数料
(1) 被相続人が死亡してから3ヶ月以内に依頼される場合,原則として相続人1人当たり3万3000円であり,被相続人が死亡してから3ヶ月を過ぎてから依頼される場合,原則として相続人1人当たり5万5000円です。
(2) 相続の承認又は放棄の期間伸長の申立てをする場合,相続放棄の手数料とは別に,相続人1人当たり3万3000円の手数料をいただきます。
(3) 出張日当は別途,頂きます。
5 実費
(1) 相続人の不存在が判明した場合,相続財産清算人選任の申立てが必要となりますし,相続人の不在が判明した場合,不在者財産管理人選任の申立てが必要となりますから,そのための弁護士報酬及び実費としての予納金が追加で必要となります。
(2) 相続人の一人が認知症の場合,後見人選任の申立てが必要となりますから,そのための弁護士報酬及び実費としての予納金が必要となります。
第4 債務整理事件の弁護士費用(顧問先の従業員を除き,法テラスの利用はお断りしています。)
1 任意整理の着手金及び成功報酬金
(1) 着手金として,1社当たり3万3000円を頂きます。
なお,債権者数につき,完済業者は含むものの,事前求償権者(例えば,住宅ローンの保証会社)は含みません。
(2) 切手代等に充てるため,2万円以上の概算実費をいただきます(後日,清算します。)。
(3) 任意整理事件については,日弁連が弁護士報酬の上限を定めています(日弁連HPの「債務整理の弁護士報酬に新たなルールを作りました。」参照)ところ,私の弁護士報酬はこれよりも相当安い目に設定しています。
2 過払金返還請求の着手金及び成功報酬金
(1)ア 着手金は任意整理の着手金に含まれますから,過払金返還請求訴訟を提起する場合であっても追加で支払う必要はありません。
イ 成功報酬金は,回収できた過払金の22%です。
(2) 完済業者に対する過払金返還請求の場合,着手金及び実費は過払金を回収できた後に支払ってもらうということで結構です。
3 個人の自己破産の着手金及び成功報酬金
(1)ア 同時廃止事件の場合,着手金は原則として22万円であり,成功報酬金は不要です。
イ 免責不許可事由に該当する可能性があったり,債権者数が10社を超えたりする場合,着手金は高くなります。
ウ 管財事件の場合,着手金は5万5000円追加となります。
(2)ア 同時廃止事件の場合,印紙代及び切手代等に充てるため,債権者数に応じて2万円以上の概算実費を頂きますし,破産予納金(官報公告費用(1万1859円))を頂きます。
イ 管財事件の場合,印紙代及び切手代等に充てるため,債権者数に応じて2万円以上の概算実費を頂きますし,破産予納金(①官報公告費用(1万5499円)及び②引継予納金(21万6000円)をいいます。)を頂きます(堺みくに法律事務所HPの「管財事件の予納金が上がりました」参照)。
4 個人再生事件の着手金及び成功報酬金
(1) 住宅資金特別条項を利用する場合,着手金は原則として38万5000円であり,成功報酬金は不要です。
住宅資金特別条項を利用しない場合,着手金は原則として33万円であり,成功報酬金は不要です。
(2) 法テラスを利用した場合の概算実費が3万5000円であることにかんがみ,概算実費として3万5000円をいただきます。
第5 情報公開請求事件の弁護士費用
0 初回相談
30分3000円(税込み)です。
1 行政機関又は地方自治体の不開示決定等に対する審査請求の着手金及び成功報酬金
(1) 着手金は5万5000円から22万円の間で決めます。
(2) 成功報酬金は11万円から22万円の間で決めます。
2 行政機関又は地方自治体の不開示決定等に対する情報公開請求訴訟の着手金及び成功報酬金
(1) 着手金は11万円から44万円の間で決めます。
(2) 成功報酬金は22万円から44万円の間で決めます。
3 裁判所の不開示決定等に対する苦情申立ての着手金及び成功報酬金
(1) 着手金は5万5000円から22万円の間で決めます。
(2) 成功報酬金は11万円から22万円の間で決めます。
4 その他
審査請求の場合,不開示決定等に関する事情を知っている行政機関又は地方自治体に対して行うものですから,最低限の証拠を提出すれば足りるため,あまり手間がかかりません。
これに対して訴訟の場合,不開示決定等に関する事情を全く知らない裁判所に対して行うものですから,一から事情を説明するために一通り証拠を提出する必要があるなど,結構な手間がかかります。
そのため,その分,弁護士費用が高くなります。
第6 弁護士費用に関する外部HP等
① 日弁連HPの「弁護士報酬ってなに?」
② 特許庁HPの「特許権侵害訴訟における訴訟代理人費用等に関する調査研究報告書」(平成29年2月)
2(1) 弁護士の訴訟委任事務処理に対する報酬の額につき依頼者との間に別段の定めがなかった場合には,事件の難易,訴額及び労力の程度ばかりでなく,依頼者との平生からの関係,所属弁護士会の報酬規則等その他諸般の状況をも審査し,当事者の意思を推定し,以て相当報酬額を算定すべきとされています(最高裁昭和37年2月1日判決)。
(2) 土地の売買契約の買主は売主に対し当該土地の引渡しや所有権移転登記手続をすべき債務の履行を求めるための訴訟の提起等に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできません(最高裁令和3年1月22日判決)。
3(1) 東京地裁平成30年3月26日判決(判例秘書に掲載)は以下の判示をしています。
被告は,本件各委任契約における本件中途報酬規定は,いわゆるみなし報酬規定に当たり無効であるか,そうでないとしても,違約金として機能するものであるから,消費者契約法9条1号により無効である旨主張する。
しかしながら,委任事務処理の程度いかんにかかわらず,又は受任者である弁護士の責めに帰すべき事由により解任がなされた場合であっても約定報酬全額を支払うという趣旨の報酬規定であれば,その全部又は一部につき効力を生じないと解する余地はあるものの(最高裁昭和47年(オ)第342号同48年11月30日第二小法廷判決・民集第27巻10号1448頁参照),本件中途報酬規定は,あくまで履行を遂げた程度に応じた報酬請求を認めるにとどまるものであり,また,民法648条3項に反して受任者の責めに帰すべき事由がある場合にまでその報酬請求を認める趣旨の規定であるとは解されないことから,被告の主張は前提を異にするものといえる。
また,このような本件中途報酬規定の趣旨に鑑みれば,割合報酬の支払を義務付けたとしても,それが違約金として機能するなどということもできず,消費者契約法9条1号に違反する旨の被告の主張も採用することはできない。
したがって,上記2のとおり,原告らの責めに帰すべき事由がなく解除に至った本件において,原告らは,被告に対し,本件各委任契約の事務処理の程度に応じた報酬を請求することができる。
(2) 本件中途報酬規定は,「本委任契約に基づく事件等の処理が,解任,辞任又は継続不能により中途で終了したときは,原告らの処理の程度に応じて精算を行うこととし,処理の程度についての原告及び被告らの協議結果にもとづき,弁護士報酬の全部若しくは一部の返還又は支払を行う」というものでした。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。